PolkadotとCosmosの違い

2021年に入ってインターオペラビリティ関連の仮想通貨(暗号資産)が注目を集めています。その中でも有名なのが「Polkadot(ポルカドット)」と「Cosmos」の2つの仮想通貨(暗号資産)です。

Polkadot(ポルカドット)もCosmosも2021年に入って、チャートが急騰したことや大きなニュースがリリースされたことで将来性が期待されています。システム上、似ている点が多いこれらの仮想通貨(暗号資産)ですが、どのような点が評価されているのでしょうか?

今回は、Polkadot(ポルカドット)とCosmosの特徴を紹介しつつ、それぞれの仮想通貨(暗号資産)がどのような点で異なるのかについて解説します。

Polkadot(ポルカドット)の特徴

まずは、Polkadot(ポルカドット)の特徴として、次の4点について解説します。

Polkadot(ポルカドット)特徴
  • インターオペラビリティの実現
  • オープンガバナンス体制
  • ブロックチェーン開発ツール
  • 信頼できるコンセンサスアルゴリズム

Polkadot(ポルカドット)はWebというインターネットの世界を目指すプロジェクトです。Web3.0とは、ブロックチェーン技術によって分散型の新しいWebの世界を指します。

従来のインターネットの世界では一部の企業がユーザーの個人情報を収集・管理する中央集権型の世界でした。中央集権型の世界では、一部の企業が個人情報を独占してしまうリスクや個人情報を多く所有している企業がトラブルに遭ってしまうことがあります。

Web3.0の世界になると、個人情報はユーザー同士が分散管理するため、不正アクセスや情報漏洩のリスクから守ることができます。Polkadot(ポルカドット)oはイーサリアムに変わる新しい仮想通貨(暗号資産)として注目を浴びており、2021年に入ってからチャートも右肩上がりです。

インターオペラビリティの実現

Polkadot(ポルカドット)の特徴として異なるブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)が挙げられます。

今まではビットコインやイーサリアムなどのチェーンに互換性はなく、それぞれのチェーンをつなぐことはできませんでした。しかし、Polkadot(ポルカドット)のチェーンを活用することで、ビットコインやイーサリアムなどの異なるチェーンを接続することが可能です。

仮想通貨(暗号資産)は分散型の資産はありましたが、分散型の交換方法は存在しません。仮想通貨(暗号資産)を交換するためには取引所を介する必要があったため、結果的に中央集権型の取引所が生まれます。

そこで、Polkadot(ポルカドット)の技術を活用することで、分散型資産をP2Pで取引可能です。これにより分散型の交換が可能となり、インターオペラビリティの実現を可能としました。

オープンガバナンス体制

Polkadot(ポルカドット)は運営側が中心となって開発を進めているわけではなく、Polkadot(ポルカドット)のユーザーと共にネットワークの発展に取り組んでいます。Polkadot(ポルカドット)を所有しているホルダーにはガバナンス権が与えられて、

  • ネットワーク手数料の裁定
  • ブロックチェーンの追加や削除
  • プロトコルアップデート

などに関与することが可能です。本格的に仮想通貨(暗号資産)の運営に関わりたい人は、Polkadot(ポルカドット)のステークホルダーになることがおすすめです。

ブロックチェーン開発ツール

Polkadot(ポルカドット)には「Substrate(サブストレート)」と呼ばれるブロックチェーン開発ツールがあり、一般向けに提供しています。Substrateを使うことで、Polkadot(ポルカドット)と互換性のあるブロックチェーンを簡単かつ効率的に作成することができます。

信頼できるコンセンサスアルゴリズム

Polkadot(ポルカドット)は安全なネットワークを作るために「GRANDPA(GHOST-based Recursive Ancestor Deriving Prefix Agreement)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

GRANDPAはネットワーク上において瞬時にブロックを確定することが可能です。また、ネットワークの環境が悪い状況でも、問題が解決すればブロックを一気に承認することができます。

Cosmosとは

続いて、Cosmosの特徴として、次の4点について解説します。

Cosmosの特徴
  • インターオペラビリティの実現
  • より簡単にDApps作成が可能
  • 独自のシステム「Tendermint」のパフォーマンスが高い
  • Binanceと連携してDEXを作成

Cosmosも2021年に入ってから注目を集めている仮想通貨(暗号資産)です。「インターネットオブブロックチェーン」をコンセプトに掲げているプロジェクトで、誰でも簡単にブロックチェーンを作成できる世界を目指しています。

2017年にICOで約1,700万ドルの資金調達に成功しており、Binanceに上場していることから日本人でも取引することは可能です。

投資家視点で言えば、チャートが2021年に入って急騰していることから注目度が高くなっています。Polkadot(ポルカドット)と似ている部分はあるものの、その機能性は異なるため、詳しく解説します。

インターオペラビリティの実現

上記でも説明しましたが、Cosmosもインターオペラビリティの実現を目標としています。Cosmosのシステムとしては、

  • Hub
  • Zone

の2つのブロックチェーンを活用してインターオペラビリティを実現しています。

Zoneネットワークは独立したブロックチェーンとなっており、Zoneネットワークを連結させる中心にあるネットワークがHubです。トランザクションやブロックの検証は各チェーンで行われます。このシステムを活用することで、異なるブロックチェーン同士の接続を可能にしています。

より簡単にDApps作成が可能

DAppsを作成するのは本来難しいプログラミングを活用して作成しますが、Javaなどの簡単な言語で作成できるようになります。

Cosmosには、Cosmos SDKと呼ばれるDAppsを安全に開発できるフレームワークを提供しています。このフレームワークにはDAppsの開発に必要なモジュールが含まれているため、簡単にDAppsの開発が可能です。

DAppsは現段階では、イーサリアム系列のブロックチェーンで開発を進めることが多いです。しかし、Cosmosの認知度が高まれば、Cosmos独自のブロックチェーン上でDAppsが作成されることが増えるでしょう。

独自のシステム「Tendermint」のパフォーマンスが高い

Tendermintとはコスモスネットワークのコアともいえる部分で、ブロックチェーンを代表とする分散されたネットワークにおいて不正が起こらないためのソフトウェアです。ブロックチェーンネットワークをスケーラブルにすることで、分散型アプリケーションの開発も効率的になります。

また、Tendermintが提供するコンセンサスアルゴリズム(プルーフオブステーク)はビットコインやイーサリアムよりも優れているトランザクションの処理能力が提供できます。

これによって、スケーラビリティ問題を解決することが可能です。

他にも安全性が高いことやパブリックチェーンでもプライベートチェーンでも実装可能な点なども大きなメリットと言えます。Tendermintの活用事例は徐々に増えてきているため、今後注目が集まる可能性が高い技術です。

Binanceと連携してDEXを作成

CosmosのTendermint技術は、仮想通貨(暗号資産)取引所であるBinanceでも利用されています。BinanceではTendermint技術を使って、独自のブロックチェーンである「Binance Chain」を開発し、さらにこのチェーン上でBinance DEXを作成しました。

DEXとは分散型取引所のことです。分散型取引所はウォレットなども取引所が管理するわけではなく、自分で管理するため、取引所のハッキング被害などを受けるリスクが減ります。

Binance DEXの開発によって、Tendermint技術の注目度がさらに上がり、Cosmosの将来性に期待するユーザーが増えたのも事実です。

Polkadot(ポルカドット)とCosmosの違い

ここからは、Polkadot(ポルカドット)とCosmosの違いとして、

  • やり取りできるデータの種類
  • セキュリティのシステム

の順に解説します。

インターオペラビリティの実現など、同じ方向を向いている仮想通貨(暗号資産)といえるPolkadot(ポルカドット)とCosmosですが、細かな点で違いがあります。

やり取りできるデータの種類

Polkadot(ポルカドット)とCosmosでは転送できるデータに違いがあります。

Polkadot(ポルカドット)の場合はあらゆる種類のデータが転送可能ですが、Cosmosの場合はトークンの転送に限ります。そのため、Polkadot(ポルカドット)の方が、汎用性が高いといえるでしょう。

セキュリティのシステム

Polkadot(ポルカドット)とCosmosではセキュリティの違いがあります。

Polkadot(ポルカドット)はパラチェーンが接続先のリレーチェーンのセキュリティを管理します。パラチェーンの開発者がセキュリティ以外の業務に集中できる環境を作りあげます。

一方で、リレーチェーンのセキュリティに問題があった場合は、全体にその影響が拡散されるリスクがあることを認識しておくことが重要です。

CosmosはZoneとHubのブロックチェーンのセキュリティは分割されている状態です。しかし、異なるチェーン同士で転送を行う場合は、それぞれのチェーンのセキュリティが強固でなければいけません。セキュリティが低い場合、転送が上手くいかないトラブルが発生します。

Polkadot・Cosmos・Terraの3社がDeFiプロダクトの開発を発表

2020年7月6日に開催されたカンファレンスで、「Polkadot(ポルカドット)」「Cosmos」「Terra」の3社によってDeFiプロダクトである「Anchor」が発表されました。

DeFiとは、「Decentralized Finance」の頭文字をとったもので日本語では分散型金融などと訳されます。具体的には保険や証券、レンディングなどの金融コンテンツにおいて、ブロックチェーン技術を活用したアプリケーションによって構成された金融システムです。

Anchorのスマートコントラクトのシステムでは、ステーブルコインのデポジットを受け取り、その一部をステーキングします。

また、Anchorのプラットフォームはインターチェーンアセットアソシエーションを新しく設立しており、それぞれのコインの役員などが共同設立者となります。

Polkadot(ポルカドット)とCosmosがテストネットで接続に成功

2021年4月15日に、Polkadot(ポルカドット)とCosmosがテストネット上での接続に成功しました。特徴が似ている仮想通貨(暗号資産)であることから競合関係である指摘もありましたが、テストネットの接続によって共存できることがわかりました。接続のテストを実施したのは、「Plasm Network」と「Secret Network」の2つのネットワークです。

まだまだ実験は開始されたばかりですが、最終的にはPolkadot(ポルカドット)とCosomosのエコシステムの接続を目指します。今回のニュースは仮想通貨(暗号資産)業界にとっても大きなニュースで、2つの仮想通貨(暗号資産)の期待値をさらにあげるニュースといえます。

まとめ

今回の記事では、Polkadot(ポルカドット)とCosmosについて解説しました。Polkadot(ポルカドット)の特徴は以下の4つです。

  • インターオペラビリティの実現
  • オープンガバナンス体制
  • ブロックチェーン開発ツール
  • 信頼できるコンセンサスアルゴリズム

また、Cosmosの特徴は次のとおです。

  • インターオペラビリティの実現
  • より簡単にDApps作成が可能
  • 独自のシステム「Tendermint」のパフォーマンスが高い
  • Binanceと連携してDEXを作成

似ている2つの仮想通貨(暗号資産)ですが、下記のような違いがあります。

  • やり取りできるデータの種類
  • セキュリティのシステム

下記のようなニュースがあるため、今後の期待値が高いです。

  • Polkadot(ポルカドット)とCosmosとTerraの3社によってDeFiプロダクトの開発を発表
  • Polkadot(ポルカドット)とCosmosがテストネットで接続に成功

今回紹介したPolkadot(ポルカドット)やCosmosなどのインターオペラビリティを実現する仮想通貨(暗号資産)は、2021年度特に注目を集めています。今後も大きなニュースが出ることが期待できるため、定期的にチェックしておくことをおすすめします。